こんにちは。プリズムタワー工藤歯科の副院長の工藤有加です。
今日は、歯の神経を抜くデメリットについて知りたい方のために記事を書きました。
歯科治療において、神経を抜くことは一般的な方法ですが、その選択には慎重さが求められます。
歯の神経を抜かなきゃならないと言われた。
痛み無くなったけど、なんかその後、悪いことってあるんだっけ?!
歯の神経って、出来るだけ抜かないほうがいいって聞いたことあるけど、なんでだろう?
と疑問に思っている方もいらっしゃるのではないかと思い、記事を執筆することにしました。
このブログでは、歯の神経を抜くデメリットについて、わかりやすく順番に解説していきます。
このブログでは、どんな時に神経を抜かなきゃいけなくなるのか?についてや、神経を抜くデメリットをできるだけ回避する方法や、アフターケアについても詳しく触れます。
私たちは皆、自分自身や家族の口腔の健康を守りたいと願っています。
この記事を読むことで、歯の神経を抜くデメリットと、そのデメリットを回避する方法を知っていただき、ご自身のより良い歯科治療の選択と、良い口腔環境作りに役立てていただければと思います!
このブログの最後に、歯を神経を抜くリスクを軽減する方法も書いたので、参考にしてくださいね!
歯の神経を抜くとは、どういうこと?!
歯の神経を抜くとは、歯の内部にある神経組織を取り除く治療方法です。
一般的には、虫歯や歯の根の炎症などの、歯の状況により、必要に応じて行われます。
歯の内部には、エナメル質や象牙質の下にある歯髄(しずい)と呼ばれる組織があります。
歯髄には、血管や神経が含まれており、歯の感覚や栄養供給などの役割を果たしています。
しかし、虫歯や歯の根の感染によって歯髄が炎症を起こすと、強い痛みや腫れなどの症状が現れることがあります。
歯の神経を抜く治療では、まず麻酔をして、歯の神経にアクセスするために歯を削ります。
その後、特殊な器具を使用して歯髄を取り除きます。
歯髄を取り除くことで、痛みや炎症の原因となっていた神経組織を排除することができます。
神経を抜いた後は、歯の内部を清掃し、残った空洞を詰めるために充填材を使用します。
最終的には、歯を保護するために被せ物(クラウンなど)を装着することが多いです。
歯の神経を抜く治療は、痛みや腫れなどの症状を軽減し、歯を保存するための重要な治療法です。
神経を抜くデメリット頭に入れておく必要はあるけれど、神経を抜くことによって得られるメリットもあります。
神経を抜くことの、デメリットがメリットが上回る場合は、神経を抜くことを推奨する場合もあります。
基本的には、神経は温存できるなら温存したほうが良いのですが、神経を温存するメリットとデメリットをしっかり理解して、治療を受けてくださいね!
歯の神経を抜くデメリット
歯が脆くなり、根が折れやすくなる
神経を抜いた歯は、一般的に脆くなる傾向があります。
神経がなくなることで、神経や血管からの栄養が歯に行き渡らなくなります。
そのため、歯の内部の組織が乾燥し、枯れ木のような状態になるんですね。
神経を抜いた直後は、特に問題なく過ごせていても、年数が経つにつれて歯質が脆くなり、根の部分が折れやすくなります。
根の先が感染し、根の先に病気(根尖病巣)を作ってしまう
歯の神経を抜くと、根の先に根尖病巣という病気を作ってしまう可能性があります。
根尖病巣は、歯の根の先端の部分にできる感染性の袋状の病気です。
なぜ、神経を抜く処置をした後、根の先に膿が溜まる袋状の病気(根尖病巣)を作ってしまうか、というと、理由はいくつかあって、
・神経がとても複雑な形態をしているから
・神経を抜く治療は非常に細かく難しい作業だから
・根管内の感染を取り除くよう努力はするけど、時には完全に感染が除去できない場合があるから
です。
根尖病巣ができると、噛んで違和感が出てきたり、進行すると、歯茎が腫れてきたり、歯茎や顔面から膿が出てくることがあります。
一方で、痛みや腫れなどの明らかな症状がない場合もあるので、患者様自身は全く気がつかず、レントゲンではじめて発見される、というケースも少なくありません。
歯に感覚がないので虫歯になっても気がつかない
歯の神経を抜くと、歯が染みて痛い、という感覚がなくなります。
そうすると、虫歯になっても気がつかないで進行してしまう可能性があります。
歯の変色
歯の神経を抜くと、その歯の色が変わる可能性があります。
神経がない状態では、歯の内部の組織が変色しやすくなり、歯が黒ずみやすくなります。
歯の神経を抜かなきゃならなくなるのは、どんな時?
虫歯が大きく進行してしまった時
虫歯が大きく深くまで進行してしまい、歯の神経にまで達してしまった場合、神経を抜く必要があります。
虫歯は、歯の表面のエナメル質や象牙質が酸によって溶けることで発生します。
虫歯が進むと歯の神経近くまで進んでしまい、神経に炎症を起こし痛みを生じます。
痛みを生じる前の段階でも、虫歯が大きくなって、神経を抜かなければならない状況になることは臨床の現場でよくあります。
このような状況では、神経を抜いて感染を取り除く必要があります。
神経(歯髄)が感染してしまった時
虫歯を長く放置しすぎたり、歯軋りや染みるなどの慢性的な刺激や、歯周病などが原因で、歯の根の部分が感染した場合、神経をとる必要があります。
この場合、歯の神経を抜いて、消毒し、感染を取り除く必要があります。
歯を削ったことによる神経への刺激で炎症が起こった時
神経が生きた状態で、ブリッジや、被せ物などの治療をする必要があり、大きく歯を削ったときの刺激で、神経に炎症が起こる場合があります。
この場合、神経に炎症が起きて痛みが生じ、神経を除去することで痛みが治ります。
歯の神経を抜く場合の、デメリットを軽減する方法
神経をどんな時ににかなきゃいけなくなるか?と、歯の神経を抜く場合のデメリットは理解していただけましたでしょうか?
次に、歯の神経を抜くデメリットを軽減させる方法を書いていきたいと思います。
歯が脆くなり折れやすくなるデメリットを軽減する方法
神経を抜いた歯は脆くなる傾向があり、力がかかる咬合や噛み合わせによって歯が割れたり欠けたりする可能性があります。
この問題を解決するために、適切な被せ物を使用することが重要です
歯に適合の良い耐久性の優れた被せ物(クラウン)やブリッジを入れる
クラウンは、歯の頭部全体を覆う形状の被せ物です。
歯科医師は、神経を抜いた歯にクラウンを装着することを勧めることが多いです。
インレーと呼ばれる部分的な金属や、CR(コンポジットレジン・シーアール)充填と呼ばれるプラスチックでの治療は、歯がかけたり折れたりする力には耐えられないことが多いです。
クラウンにも材質が色々ありますが、最近でた保険のCADCAM冠は、耐久性に劣りますので、CADCAM冠自体が外れたり割れたりする可能性があるので、選ぶ時にはデメリットをきちんと知った上で入れてくださいね。
金属や、セラミック、ジルコニアのクラウンは、耐久性に優れ、歯の強度と機能を回復させる役割を果たします。
ただし歯科医師の技術や、技工物の質により、その適合性や耐久性に違いがあります。
信頼のできる歯科医師を選びましょう。
全体の噛み合わせのバランスをよくする
奥歯と前歯がバランス良く、相互に補うような噛み合わせでない場合、ある一定の歯ばかりに負担がかかり、折れたり欠けたりする可能性が高くなります。
歯が折れるなどのトラブルを少なくするためには、矯正治療まで視野に入れて、全体の噛み合わせをよくすることも、歯を長持ちさせるためには、非常に大切です。
ブリッジや連結冠などで歯と歯を繋ぐ治療を避けるか、必要最小限にする
隣接する歯がなかったり、歯が揺れていたりして、歯と歯を繋ぐ必要が出てくる場合があります。
歯を繋ぐと、他の歯にかかる力も受けることになりますので、通常より歯が折れやすくなります。
なので、可能であれば、ブリッジや連結することは避けた方が、歯は長持ちします。
夜、ナイトガード(マウスピース)を入れる
夜中の歯軋りは、ものすごい力が歯に加わっていると言われています。
ナイトガードと呼ばれる、夜、寝るときに装着するマウスピースは、直接力を歯に加えることを防ぐことができるので、歯の破折が予防できます。
根の先が感染し、根の先に病気(根尖病巣)を作ってしまうデメリットを軽減する方法
正確で精密な根管治療を選択する
神経を抜いた結果、根の先に病気を作ってしまうことは、臨床でよく遭遇します。
根管が非常に複雑で、根管治療を正確に精密に行うのには、非常に優れた技術が必要だからです。
根の先に病気を作った歯のほとんどが、保険診療での制限のある中の根管治療の結果です。
できるのであれば一番最初の根管治療でベストな治療法を選ぶことが、根の再感染を防ぐ方法です。
保険で根管治療を行うのであれば、最低限、ラバーダムと交互洗浄をおこなってくれる歯科医院を選びましょう。
適合の良い被せ物を入れる
神経を抜いた後は、適合の良い被せ物を入れないと、その隙間から、バイキンに再感染してしまい、根の先に病気を作ってしまう、と言われています。
再感染をして、根の先の病気を予防するには、できるだけピッタリした適合の良い被せ物を選びましょう。
歯に感覚がないので虫歯になっても気がつかないデメリットを軽減する方法
通常でも、初期の虫歯は痛くないんですね。
神経を抜いた歯はなおさら、感じにくくなります。
なので、定期検診が欠かせません。
定期検診をすることで、自分では、気がつかない虫歯を早期発見・早期治療ができ、大きなトラブルを回避することができます・
歯が変色するデメリットを軽減する方法
歯の神経を抜くと、その歯の色が変わる可能性がるので、審美も目的で、クラウン(被せ物)をする場合が多いです。
どうしたら神経は抜かなくても済む?
できるだけ早い段階で虫歯を治療する
神経を抜かなくても済むようにしたければ、虫歯が進行する前に早期に虫歯治療を行うことが重要です。
虫歯は進行すると歯の神経にまで達し、神経を抜く必要が生じることがあります。
ごく初期の虫歯でしたら様子見する場合もありますが、虫歯が進行する、しないは、個人差があります。
経過観察の後、ある程度進んでしまったら、早めの処置が必要です。
定期的な歯科検診を受け、早期の虫歯を発見し、適切な治療を受けることで、神経を抜く必要を最小限に抑えることができます。
定期的な歯科検診とクリーニング•正しいホームケアで予防
歯の健康を保つためには、予防策を実施することが重要です。
そのためには、定期的な検診と、プロによる歯のクリーニング、正しいホームケアが必要です。
自分では、どれくらい汚れが溜まっているか、歯石がついているか?隠れた虫歯はないか?チェックはできません。
定期的な歯科検診とクリーニングを受けて、自分のホームケアが正しくできているかどうかを見直し、チェックすることで、予防が可能となります。
食生活の改善や見直し
また、食事の改善や習慣の見直しも予防に役立ちます。
砂糖の摂りすぎや、おやつの頻度が高いと、虫歯があっという間にできてしまいます。
シュガーコントロールがしっかり出来ている場合、虫歯が出来にくくなります。
PHコントロール(PHとは酸性・アルカリ性を示す数値で、酸性度が高い状態で虫歯になります)も重要です。
PHコントロールがしっかりできていれば、逆に虫歯が出来にくく、進行しにくくなります。
食生活の習慣の違いにより、虫歯の進行度合いが大きく差が出てきます。
虫歯がなりにくい、進行しにくいような食習慣を心がけましょう。
歯科医師との定期的なコミュニケーション
歯科医師との定期的なコミュニケーションを行うことで、歯の健康状態を確認し、予防策や適切な治療法を相談することができます。
歯科医師は、患者さんの歯の状態を評価し、神経を抜く必要性を最小限に抑える治療計画を立てることができます。
これらの方法を実践することで、歯の神経を出来るだけ抜かずに済む可能性があります。
しかし、状況によっては神経を抜く治療が必要になることもあります。
歯科医師との相談や定期的な歯科検診を受けることで、最適な治療法を見つけることができます。
当院の神経を抜くデメリットを回避するための取り組み
歯が脆くなり折れやすくなるデメリットを回避する取り組み
神経を抜いた歯は脆くなる傾向があり、力がかかる咬合や噛み合わせによって歯が割れたり欠けたりする可能性があります。
この問題を回避するために、当院では、次のような取り組みを行なっています。
歯に適合の良い耐久性の優れた被せ物(クラウン)やブリッジを入れる
クラウンは、歯の頭部全体を覆う形状の被せ物で、誰がやっても同じ結果にはなりません。
クラウンを切削し、形を整える技術が上手でない場合は、取れやすくなります。
クラウンを切削し、形を整える技術は患者様は知る術もありませんが、当院の技術レベルが高いからこそ、一流の技工士さんが当院の技工物を質の良いものを作ってくださいます。
また、被せ物の型をとる材料の種類、技工士の質、被せ物の材質も厳選しています。
被せ物を装着する際のメントも、保険だったら、保険の範囲内でできる良いものを厳選し、使用しています。
自費は、できるだけ質の良いものを使用しています。
治療で使用するすべての技術や材料に最善を尽くしています。
全体の噛み合わせのバランスの、鋭い視点での見極めが可能
当院は、歯周病専門医指導医とインプラント専門医でありながら、矯正治療も高度な技術を兼ね備えており、奥歯と前歯の噛み合わせが、将来問題を起こしやすいか、起こしにくいバランスのとれた噛み合わせなのかどうかを見極める鋭い視点を持ち合わせております。
例えば、奥歯のみ噛んでいて、前歯が当たっていないような噛み合わせの場合、奥歯にばかりトラブルが起こっている場合が多いのです。
患者様の現在のお口の状況が、どうしてそのようになっているのか。
虫歯や歯周病の視点だけでなく、噛み合わせのバランスについても鋭い視点で指摘できる視点を持ち合わせています。
矯正治療の高い技術もありますので、矯正治療が必要そうな患者様には、そのお話をして、矯正治療で噛み合わせを整えることも可能です。
矯正治療まで希望されない場合は、それ以外の方法で、トラブルの起こりにくいようなお口の環境を作るアドバイスが可能です。
当院は、歯周病専門医指導医とインプラント専門医でありながら、矯正治療も高度な技術を兼ね備えており、トラブルの少ないお口の環境作りが可能となっています。
ブリッジ•連結冠で歯と歯を繋ぐ治療はできれば避けて、必要最小限の介入で最大の効果を狙う治療の実践
歯を連結するブリッジや、連結冠は、トラブルが起きた時に再治療が大掛かりになりやすいため、できるだけ最小限にとどめるような治療を提案し、実践しています。
神経のない歯を繋ぐと、他の歯にかかる力も受けることになりますので、通常より歯が折れやすくなりますので、最低限にして、再治療の次の一手が必要になった時に、最低限の治療の介入で済むような治療計画を立てて、実行しています。
長期に歯が長持ちする治療計画と実践が大切です。
適合の良いナイトガード(マウスピース)の作成
夜中の歯軋りは、ものすごい力が歯に加わっていると言われていて、神経のない歯の破折につながりかねません。
当院では、保険のナイトガードと、より適合の良いナイトガードの2種類を用意しています。
他院で、ナイトガードの違和感があった方でも、少ない違和感で装着できるような、質の良いナイトガードの作成を行なっています。
根の先が感染し、根の先に病気(根尖病巣)を作ってしまうデメリットを回避するための取り組み
正確で精密な根管治療の実践
当院の根の治療は、保険でもラバーダム・交互洗浄・マイクロを使った根管治療を行っておりますので、他院の保険の根管治療に比べたら、再治療は少ない傾向です。
より、精密で正確な根管治療をご希望の方は、自費での根管治療を選択することも可能です。
歯に適合の良い耐久性の優れた被せ物(クラウン)やブリッジを入れる
再治療をできるだけ少なくなるよう、歯を削る高い技術、技工士の質、材料は、最善最良のもので行なっております。
歯に感覚がないので虫歯に気がつかないデメリットを回避するための取り組み
当院では、他院とは違う高いレベルで、定期検診とチェックとクリーニングを行なっています。
当院で、定期検診をすることで、自分では、気がつかない虫歯を早期発見・早期治療ができ、大きなトラブルを回避することができます。
必要に応じて、レントゲン写真、マイクロスコープを用いて、虫歯の精査が可能となっています。
なので、痛みに気がつかないで虫歯が進行していた!なんていうトラブルを未然に回避することが可能です。
歯の変色するデメリットを回避する取り組み
歯の神経を抜くと、その歯の色が変わる可能性がるので、審美も目的で、クラウン(被せ物)をする場合が多いです。
保険の被せ物はどうしても劣化し、変色していきます。
もし、変色が気になるようであれば自費の質の良い被せ物をお勧めいたします。
まとめ
歯の神経を抜く治療は、痛みや炎症の軽減や歯を保存するために重要な手法ですが、デメリットも存在します。
神経を抜くことで感覚の鈍化や感染のリスクが生じる可能性があります。
また、神経を抜いた歯は色や形状が変化することがあり、脆くなる傾向もあります。
しかし、適切な診断と治療計画、麻酔と痛みの管理、適切な被せ物の選択などの方法を実践することで、これらのデメリットを軽減することが可能です。
定期的なメンテナンスや口腔ケアも重要です。
歯科医師との相談や適切なアフターケアを行うことで、神経を抜く治療のデメリットを最小限に抑えながら、歯の健康と機能を維持することができます。