こんにちは。
プリズムタワー工藤歯科、副院長の工藤有加です。
今日は、重度歯周病についての症状と診断、その治療法について解説していきます。
さらに、歯周病治療のエキスパート、歯周病専門医の選び方についても解説していきます!
重度歯周病は、口腔内だけでなく全身の健康にも影響を及ぼす深刻な病状であり、その予防と早期治療が重要です。
早期に治療をすれば、歯は助かるかもしれません!
それでは、解説していきますね!
重度歯周病の症状と健康被害について
重度歯周病の症状について
歯周病は、自覚症状がほとんどないまま進んでしまう病気です。
自覚症状が出て、気がついた頃には、結構重度になっていることが多いです。
歯肉の腫れや出血、口臭などの症状が現れ、進行すると歯がグラグラと動き始め、噛み合わせが悪くなり、前歯がすきっ歯になるなど、歯の位置が変わることが多いです。
歯周組織は破壊され続けるので、歯肉が下がり、歯根が露出し、最終的には歯が抜け落ちる可能性があります。
これらの症状は、歯周病が進行するにつれて徐々に現れます。初期の段階では自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診で早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。
重度歯周病の危険性
重度歯周病の危険性は、口腔内だけでなく全身への影響が大きいことにあります。
歯周病菌が血流に乗って全身を巡り、様々な健康被害を引き起こす可能性があることが明らかになっています。
例えば、心臓病や糖尿病、認知症などのリスクを高めるとされています。
また、妊娠中の女性が重度歯周病になると、早産や低体重出産のリスクが高まるとも言われています。
そのため、重度歯周病は早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。定期的な歯科検診を受け、自分の口腔内の状態を把握することが大切です。
重度歯周病の治療の流れ
重度歯周病の治療のおおまかな流れを説明していきます。
まず、診査診断で、ポケットの深さや、骨のなくなり方などをみていきます。
次に、歯周基本治療で、スケーリング(SC)、スケーリングルートプレーニング(SRP)をして、歯の表面についている歯石や細かい汚れを除去していきます。
その後、再評価をして、ポケットの深さがどのように変化したかを見ていきます。
再評価時に、歯周外科をして周囲組織の回復が見込めそうな歯には、歯周外科処置の提案をさせていただきます。
その後、被せ物の治療や、矯正治療で歯並びを治したり、インプラントが必要な部位にはインプラント治療をしていきます。
治療終了後、メンテナンスに入ります。歯軋りなどの力から歯を守るためにナイトガードをする場合もあります。
次に、それぞれの治療について詳しく説明していきますね!
歯周基本治療
歯周基本治療は、歯周病の原因となっている、細菌の除去と、歯周病のリスクとなっている、リスク因子の除去を徹底して行っていきます。
理由は、歯周病の原因となっている細菌を減らさないと、どんなに歯科医院で綺麗にしてもすぐに口の中がバイキンだらけになって、むしろ悪い状況を引き起こしてしまうことがあるからです。
また、歯周病のリスクとなっている因子を改善させないと、同様に、また再発して悪くなる可能性があるからです。
歯周病の原因の細菌の除去の仕方は、まず、患者様の歯ブラシ・歯間ブラシの徹底です。
歯科医院で、どんなに綺麗にしても、毎日食事はするので、放っておくとお口の中はすぐにバイキンの温床になってしまいます。
リスク因子となっている、喫煙習慣や、食生活や、糖尿病のコントロールも必要になってきます。
とりわけ、喫煙は、歯周病の最大のリスクファクターです。
次に、スケーリング(SC)・スケーリング ルートプレーニング(SRP)です。
これは、歯科医院側で、技術者が行っていきます。
まず、歯石や歯周ポケット内の細菌を取り除くために、スケーリング(歯石除去)とルートプレーニング(歯根面の滑らかにする)を行います。これにより、歯周病菌の繁殖を抑え、歯周組織の炎症を和らげます。
必要に応じて、麻酔をかけて行います。
超音波スケーラー、もしくは、ハンドスケーラーを用いて行います。
どちらを使用しても治療結果は同じで、超音波スケーラーの方が短時間で行える、といった報告もあります。
超音波チップにも、様々な形態があり、根の形や目的によって使いわけます。
ハンドスケーラーは歯石を触知できたりなどの利点はありますが、適切に行わないと、オーバーな切削になりすぎたり、歯茎を傷つけたりするので注意が必要です。
超音波スケーラーの場合は、注水も同時に行えるので、洗浄効果も期待できます。
歯肉の中を盲目的に処置を行うので、限界があり、習熟した歯科医師、歯科衛生士であっても、全ての歯石は除去できない場合もあります。
このSC/SRP、技術が必要で、どこの歯科医院でやっても同じ、というわけではありません。
トレーニングを受けた歯科医師・歯科衛生士に施術してもらってくださいね。
保険治療だと、保険のルールに従って進めていく歯周基本治療。なので、回数がかかります。
もし、一気に歯周基本治療を進めたい場合は、フルマウスディスインフェクションという、一気に歯石を除去する方法もありますので、ご相談ください。
抗菌薬を併用する場合もあります。
歯周基本治療後の再評価検査
歯周基本治療後に、再評価の歯周病検査を行います。
最初の、歯周基本治療が、どのくらい成功したのか、を見ていくんですね。
例えば、どのくらい歯周ポケットの数値が減ったか、炎症のある歯が全体の何%になったのか?や、口腔内写真を撮影したり、必要あればX線検査をして、初診時からの変化を見ていきます。
また、歯ブラシや、歯間ブラシが上手にできなかったり、リスク因子が除去できてない場合は、ポケットや炎症の数値が改善しなかったり。次の手術をしても上手くいかない場合があるので、注意が必要です。
次の、歯周外科治療が可能なのかを見極め、検討していきます。
歯周外科治療
フラップ手術
歯周ポケットの除去を目的に、歯茎を切り開いて、歯石を除去する方法です。
重度歯周病で歯周ポケットが深く、通常のクリーニングでは清掃できない場合、歯周フラップ手術が行われます。これは、歯肉を切開して歯周ポケット内を直接清掃し、必要に応じて骨を再形成する手術です。
歯周組織再生療法
骨がなくなった部分に、骨を増やして、歯周ポケットを減らす方法です。
重度歯周病で歯を支える骨が大きく減少した場合、歯周組織再生療法が行われることがあります。これは、人工骨(バイオス、炭酸アパタイト、βーTCP)などの生体材料を用いて、歯を支える骨を再生する治療法です。
大きく骨を失った場合、骨を増やす方法は、家骨移植がゴールドスタンダードですが、傷を二ヶ所作ってしまうので、当院では、患者様の身体の負担軽減を優先し、人工骨を使用することが多いです。
歯周外科後の再評価検査
歯周外科後、どのくらい効果があったのかを再評価(歯周精密検査・レントゲン検査・口腔内写真撮影等)をします。
口腔機能回復治療
安定した噛み合わせを回復させるために、矯正治療、インプラント治療、被せ物の治療を行います。
継続管理移行前の再評価検査
噛み合わせが整った後、再評価(歯周精密検査・レントゲン検査・口腔内写真撮影等)をします。
メインテナンス・SPT・歯周病重症化予防治療
歯周治療完了後は、生涯にわたる継続管理(メインテナンス・SPT・歯周病重症化予防)が不可欠です。
SC/SRP、歯周ポケット内洗浄、PMTCなどの包括的に管理を行っていきます。
継続していくことで、新たな歯周病再発の早期発見・早期治療・再発防止につながり、結果的に歯の喪失を防ぐことができます。
ナイトガード・スプリント
歯軋りや食いしばりのある人は、咬合力を分散させる目的で作成することが多いです。
理由は、歯軋りや食いしばりがあると、歯を揺らしてしまい、歯周病を進行させたり、歯を喪失してしまうリスクがあるので、少しでもそのリスクを減らすためです。
McGuireらによると、ナイトガードのないブラキシズムや、歯の動揺は、歯の喪失が多くなる傾向があると言われています。
歯周治療後だけでなく、歯周基本治療の初期の段階から、オクルーザルスプリントを用いることもあります。
歯周病専門医による最新の治療法や手術方法について
SC/SRP(スケーリング /スケーリング ルートプレーニング)
最新の治療法として、マイクロスコープや拡大鏡を用いて、一気に歯石取りを行う、フルマウスディスインフェクションやSRPがあります。
今までの治療は、目で見ただけでは見えない細かな汚れがあり、盲目下でのSC/SRPには限界があります。
拡大鏡は2倍〜10倍、マイクロスコープは10倍〜20倍の拡大をしています。
マイクロスコープを用いてのSC SRPは、拡大のレベル、光の入り方から全て優れていますので、より細かな歯石や汚れが除去できるため、使用効果は高いです。
歯石を除去するレベルが、目視化と、マイクロスコープ下では綺麗になるレベルが違うので、その後の歯周外科の手術をしなくても、マイクロスコープでのSC SRPのみで、歯周ポケットが浅くなり、歯周組織の再生まで起こる可能性があります。
それについての最新の論文がありますので、また別記しますね!
抗生物質の使用について
最新の知見としてはなるべく、抗生剤は短期で最低限に使用した方がいいと言われています。
抗生剤の投与の理由する理由は、歯周病菌の感染を抑え、口腔内だけでなく全身に歯周病菌が広がるのを防ぐために抗生物質が使用されることもあります
歯周組織再生療法
歯周病専門医による最新の歯周組織再生療法は、マイクロスコープや、拡大鏡を用いて、新しい生体材料の利用をしたり、様々な歯肉の切開方法の工夫が行われています。
理由としては、マイクロスコープや拡大鏡が普及したため、歯周外科治療にもマイクロスコープを用いればより、精密な手術が可能となったんですね。
マイクロスコープや拡大鏡で、細部までの見ることが可能となったので、成功率が高くなり、より低侵襲での手術が可能となりました。
歯周再生療法で用いる生体材料も、新しい材料がたくさん出ています。
人工骨(バイオス ボナーク リフィット ベータTCP ハイドロキシアパタイト 炭酸アパタイト)や骨成長因子(エムドゲイン・リグロス)を用いて、歯を支える骨や歯肉を再生しています。
歯周組織再生療法と矯正治療の併用について
歯周病専門医による最新の歯周組織再生療法の術式と、矯正治療の歯の移動を併用することで、歯を抜かなくても骨の形を理想的に変えることで、他院で抜歯と言われた歯でも、歯の保存が可能な場合があります。
歯周外科治療の熟練した技術と矯正治療の技術のみならず、最新の知識が必要で、どの歯科医院でもできる方法ではありませんが、歯を抜かなくても、歯を削らなくても歯周組織再生療法と矯正治療を組み合わせることで可能な場合もあります。
また、インプラントが不可能と言われているような場所でも、歯周組織再生療法で骨などの歯周組織を増やすことが可能で、インプラントも可能な場合もあります。
レーザー治療
最新の治療法の一つに、レーザーを用いた治療があります。
レーザーは、歯周ポケット内の細菌を効率的に除去し、歯周組織の再生を促進すると言われています。
しかし、治療成績は技術に大きく左右されますし、レーザー治療の真の臨床の有用性は十分に明確化されていません。
実際の臨床でのレーザーの使用においては、従来の機械的治療法(SC/SRP・歯周外科)を十分に習得した上で、正しい技術で常に慎重な態度で応用する必要があります。
重度歯周病の治療期間
重度歯周病の治療期間は、病状や治療法により異なります。一般的には、初期の治療(スケーリング&ルートプレーニング)に数週間から数ヶ月、手術治療が必要な場合はさらに数ヶ月を要することが多いです。また、治療後も定期的なメンテナンスが必要で、これは生涯続ける必要があります。
重度歯周病の治療後の予後
治療後の予後は、治療の成果と患者の自己管理に大きく依存します。治療により歯周病菌が減少し、歯周組織の状態が改善されれば、歯の動きや口臭などの症状は改善します。しかし、歯周病は再発しやすい病気であり、自宅でのブラッシングやフロッシング、定期的な歯科検診など、適切な口腔ケアが続けられないと、再び歯周病が進行する可能性があります。
従来の歯周炎の重症度別の分類
慢性歯周炎と侵襲性歯周炎(従来の分類方法1)
2006年に採用された歯周炎の分類方法は、慢性歯周炎と、侵襲性歯周炎という分類の仕方でした。
侵襲性歯周炎、というのは、簡単にいうと、若い10代から20代で、そんなに汚れや歯石がついていないのに、急速に歯周病が進んでしまい、重度の歯周病になってしまった人が当てはまります。
慢性歯周炎は、35歳以上の成人に多く発症し、汚れや歯石相当の歯周病の人が当てはまります。
この分類の仕方も従来の分類の仕方で、現在は、Stage(歯周炎の重症度および複雑度)と、Grade(進行リスク)での分類の仕方に変更になりました。
軽度慢性歯周炎・中等度慢性歯周炎・重度慢性歯周炎
(従来の分類方法2)
ポケットの深さと、骨の喪失量によって、歯周病を、軽度・中等度・重度に分けた分類方法です。
現在は、Stage(歯周炎の重症度および複雑度)と、Grade(進行リスク)での分類の仕方に統一され、変更になりました。
これから、歯周病の新分類について説明していきますね!
癌と似ている分類の仕方です。
痛くなく知らない間に進んでしまう、という点で、癌とよく似ている歯周病。
あなたはどのStage・Gradeに当てはまるでしょうか?
歯周病の新分類(StageⅠ〜Ⅳ Grade A〜C)
2017年に、従来の歯周病の分類の見直しが行われ、2018年より、歯周病の新分類が発表されました。
慢性歯周炎は、軽度、中等度、重度、という分けや、慢性歯周炎・侵襲性歯周炎という分け方を廃止し、Stage(歯周炎の重症度および複雑度)と、Grade(進行リスク)での分類の仕方に変更になりました。
歯周病は、単にポケットの深さが問題ではないし、慢性と侵襲性という言い方で分けられる単純なものではない、ということなんですね。
歯肉の破壊の程度が問題であり、骨吸収の程度やタイプで治療方法が異なり、歯の喪失本数や咬合の崩壊の有無で、治療がどのくらい複雑になるのか、ということで分類されています。
また、侵襲性歯周炎という言い方があったように、歯ブラシをしていても、歯周炎が重度に進行するリスクが高い方がいらっしゃいます。
その原因はまだ解明されていませんが、プラークや歯の汚れの蓄積の程度と同程度の破壊なのか、それよりももっと破壊が進んでしまっているのか、その後も歯周組織の破壊が進んでいくのかどうか?も予測していく必要があり、これをGrade(進行リスク)で分類します。
重症度と複雑度を診査したStage分類と、進行度リスクを診査したGradeの分類があるわけです。
Stage分類(Stage I〜Ⅳ)
ステージはⅠ〜Ⅳまであります。表にまとめてみました
最大のポケットの深さ | 歯周炎由来の歯の喪失 | 骨の溶け方 | 噛み合わせの変化や歯の移動 | 必要な歯周病治療 | 一般歯科 or 歯周病専門医 |
|
StageⅠ (最も軽度の歯周病) |
4mm以下 | なし | 主に水平性骨吸収
(歯の根の長さの15%以下) |
噛み合わせ問題なし 病的な歯の移動なし |
歯周基本治療 | 一般歯科でも可 |
StageⅡ (軽度〜 中等度の歯周病) |
5mm以下 | なし | 主に水平性骨吸収
(歯の根の長さの1/3以下)
分岐部病変 |
噛み合わせ問題なし 病的な歯の移動なし |
歯周基本治療 | 一般歯科でも可 |
StageⅢ (中等度〜重度の歯周病) |
6mm以上 | 1本〜4本 | 3mm以上の垂直性骨吸収
中等度の骨欠損 (歯の根の長さの1/3以上) |
歯は20本以上残っている
噛み合わせは崩れていない 病的な歯の移動はなし |
歯周基本治療 + 歯周外科治療 |
歯周病専門医 |
StageⅣ (最も重度の歯周病) |
6mm以上 | 5本以上 | 重度の骨欠損
(歯の根の長さの1/3以上) |
歯の揺れ(2度以上ある)
咬合崩壊 病的な歯の移動 フレアーアウト |
歯周基本治療 + 歯周外科治療 |
歯周病専門医 |
ステージの分類で、一番わかりやすいのは、歯の欠損の本数です。
ステージⅢ、Ⅳが、一般歯科だと取り扱うのが難しい、重度の歯周病に分類されます。
歯周炎で歯を1本でも失っていたら、StageⅢ、中程度〜重度の歯周病と言えます。
歯を5本以上失っていたらだと、ステージⅣ、最も重度の歯周病に分類されます。
歯の移動や、咬合が崩壊していたり、前歯がフレアーアウト(だんだん前歯が揺れて歯と歯の隙間が広がっている状態)は全て、一番重度な歯周病の分類、StageⅣです。
Grade分類(Grade A〜C)
歯周炎が急速に進行するリスクを3つのGradeで分類しています。
簡単に説明すると、歯の汚れと、歯周炎の進行度の関係性です。
汚れがそんなについてないのに、歯周炎が進行している場合は、一番進行するリスクが高いと判断され、Grade Cに分類されます。
汚れ相当分の歯周炎の進行は、GradeB、中等度の進行リスクに分類されます。
汚れが多い割に歯周炎が進行していない場合は、一番進行リスクの低いGradeA
と分類されます。
あとは、過去5年間における、歯肉破壊の程度や、歯槽骨の吸収度合い、糖尿病や喫煙者かどうかも分類に関与します。
まとめ
重度歯周病の早期発見と適切な治療の選択の重要性
重度歯周病は、歯周病が進行した状態で、歯肉の腫れや出血、口臭、歯の動き、歯の位置の変化、歯肉の退縮、最終的には歯の抜け落ちといった症状が見られます。これらの症状は、歯周病が進行するにつれて徐々に現れます。初期の段階では自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診で早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。
歯周病予防のための日常生活でのケア方法
歯周病予防のための日常生活でのケア方法は以下の通りです。
1. 歯磨き:1日2回、食後すぐに歯磨きを行うことが基本です。特に就寝前の歯磨きは欠かさないようにしましょう。歯磨きの際は、歯ブラシの毛先を歯と歯肉の境目に45度の角度で当て、歯肉から歯に向かって小刻みにブラッシングします。
2. フロッシング:歯ブラシだけでは磨ききれない歯と歯の間を、フロスや歯間ブラシで清掃します。これにより、歯周病の原因となる歯垢や食べ残しを除去します。
3. 歯科検診:定期的に歯科医院で検診を受け、プロのクリーニングを受けることも重要です。歯科医師や歯科衛生士は、自分では見つけにくい歯周病の初期症状を発見することができます。
4. 健康な生活習慣:バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動など、健康な生活習慣を心掛けることも大切です。これにより、免疫力を高め、歯周病に対する抵抗力を強化します。
5. 喫煙の禁止:喫煙は歯周病のリスクを高めます。タバコに含まれる有害物質は、歯肉の血流を悪化させ、歯周病の進行を早めます。また、ニコチンは唾液の分泌を抑え、口腔内の自浄作用を低下させます。
これらのケア方法を日常生活に取り入れることで、歯周病の予防につながります。
Q&A 重度歯周病に関するよくある質問とその回答
Q:重度の歯周病は完治しますか?
重度の歯周病は自己治癒力では回復しきれないため、再生療法で回復させます。 重度歯周病になると顎の骨が溶けてしまい、大きく失っていることがあります。 そうした場合でも、適切な治療で顎の骨を再生できれば回復の可能性は十分にあります。
Q:ひどい歯周病の手遅れ症状は?
歯周病を放置すると…
歯周病を放置していると、歯茎から少し血が出たり、歯茎がむずがゆくなったりといった小さな症状が現れます。 そのうちに歯茎が腫れる頻度が高くなったり、朝起きると口の中が臭くなったり、膿の味がするようになったり……徐々に症状が重くなってくるのです。
Q:重度歯周病の症状は?
歯周病の初期症状として、歯を磨いたときや食事中に歯肉から出血することがあります。また、歯肉が赤く腫れていることもあります。歯周病菌が増えると、それらが発するガスにより口臭が強くなります。また、歯周組織が破壊され、歯がグラグラと動くようになります。歯が動くことで噛み合わせが悪くなり、歯の位置が変わることがあります。歯周組織が破壊されると、歯肉が下がり、歯根が露出します。最終的には、歯を支える組織が完全に破壊され、歯が抜け落ちることもあります。
これらの症状は、歯周病が進行するにつれて徐々に現れます。初期の段階では自覚症状が少ないため、定期的な歯科検診で早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。
Q、歯周病だとインプラントはできない?
歯周病でもインプラントはできます。
理由は、歯周病はコントロールできるからです。
さらに、歯周病のコントロール下では、歯周病の人とそうでない人のインプラントの成功率に差はなかった、という最新の論文があります。
歯周病でも安全にインプラントをされたくて、お悩みの方はご相談ください。
Q、矯正治療で歯周病が悪化することはあるか?
矯正治療で歯周病が悪化することはあります。
口腔ケアをしっかり行い、プラークコントロールをしていなければ、歯周病になって、知らない間に歯周病が進んでしまうからです。
元々歯周病のリスクが高い方や、成人以降、特に35歳以上になると、歯周病罹患率が一気に上がるので、さらに注意が必要です。
矯正治療前に、歯周病治療が終わっていていることが前提です。
矯正治療中でも、プラークコントロールをしっかり行い、歯周組織のコントロール下でなければ、歯周病は悪化します。
Q、歯周病だと矯正治療はできないですか?
歯周病でも矯正治療はできます。
特に、歯周病専門医で、歯周外科処置と矯正治療を併用させて、抜歯と言われるような歯でも保存可能の可能性があります。
歯周病治療のエキスパートであり、矯正治療についても熟練の技と知識が必要で、誰でもできる治療法ではありませんが、もし、歯周病で歯並びにお悩みの方はご相談ください。