こんにちは。
プリズムタワー工藤歯科の副院長、工藤有加です。
今回は、歯周病専門医指導医、インプラント専門医の、院長の工藤求に監修してもらっています。
本日は、歯周病だと矯正できないの?
歯周病がある人は矯正治療は危険なのか??
メリット、デメリットが知りたい!
など、歯周病の人の矯正治療について知りたい方のために、記事を書いていきますね!
この記事を読むと、歯周病治療と矯正治療について、一般的な歯科医院や一般的な矯正の先生からでは聞けないような内容を知ることができます!
歯周病の方で、矯正治療についてや、見た目で悩んでいる方必見の内容になっております!
歯周病だと矯正できないのか?
結論から言うと、歯周病でも、矯正治療はできます。
理由は、歯周病のコントロールができれば、歯周病で、失った骨を、歯を動かすことで、理想的な歯の位置に並び替えるのと同時に、歯周再生療法をすることで、骨の再生を促進することも可能だからです。
2021年にはじめて、C.Martinが、システマティックレビューメタアナリシスで、歯周炎に対する矯正治療は、歯周炎がコントロールさえされていれば問題ないと、結論付けてくれました。
それまでは、歯周病患者に対する矯正は、危険で禁忌とまで言う矯正医も実際にいたので、未だ、歯周病に対する矯正は危ないよ、とおっしゃる先生も少なくありません。
それは、今までの長い間、歯周病=矯正は危険!と認識されていた期間が長かったので仕方ありません。
今では、2021年に発表された、C.Martinの、システマティックレビューメタアナリシスの「歯周病患者でも、コントロールさえしっかりできていれば、矯正治療は可能である」と結論づけてくれたおかげで、歯周病でも、矯正治療が可能であることが証明されました。ただし歯周病専門医のもとで管理されていればの話です。
当院でも、歯周病患者様の矯正治療は、成功し、術者の患者様も満足の高い結果を得ることが長期に渡ってできています。
具体的には、どういうことかというと、歯周病で、他の医院では抜歯だと言われたような歯が、骨を再生しながら、骨の形を理想的に整えながら、病的に移動した歯の位置を元の位置に戻ることが、多くの症例で成功しています。
結論、歯周病でも矯正治療は可能です。
むしろ、条件さえ合えば、歯周病と矯正治療の組み合わせは、かなり相乗効果が高く、利用価値の高い治療法だと言えます。
歯周病治療と矯正治療の相乗効果は高い!!
歯周病の歯と骨でも、矯正治療を組み合わせることで、理想的な歯の位置と骨の形に帰ることが可能だなんて、知らない人にとっては、信じられないような夢のある治療法ですよね。
歯周病と、歯並びの悪さ、悪い噛み合わせと、見た目の悪さは、実は、密接に関係があります。
それを全て解決するには、歯周病治療と矯正治療の組み合わせが効果的な場合が多いです。
歯周病治療をして炎症をコントロールし、失った骨に再生療法を行い、矯正力をかけて、理想的な位置に歯を戻す。
そうすると、歯周ポケットは浅くなり、骨は再生療法の力で理想的な形になり、歯の位置も矯正で理想的な歯並びと噛み合わせの位置まで移動できます。
それでは、次に、どんなメリットがあるのか、具体的に書いていきますね!
歯周病の人が矯正治療をする利点
他のクリニックで抜歯と言われたような歯が助かる可能性がある
他のクリニックでは抜歯だと言われるような歯でも、矯正と歯周病治療を組み合わせることで、残せる可能性が出てきます。
実は、矯正治療と歯周外科再生療法を組み合わせることで、その歯の周囲の骨を再生しながら矯正力を歯にかけることで、骨を再生し、骨の形態も理想的に整えることができます。
そのことを熟知して実際に出来る先生はごく少数ですが、当院で多数の患者様の歯をその手法で治療し抜歯しないで助かっている歯が多数存在し、多くの患者様に喜ばれています。
また、学会で、その治療手法や治療技術、治療結果も国内外で講演させていただき、多くの良い評価を得ていますので、もし、お悩みの場合はご相談ください。
歯をできるだけ削らない方法で歯並びが整い美しい口元が可能
歯周病治療と矯正治療を組み合わせることで、より審美的に美しい笑顔が手に入れられます。
理由は、歯並びと一緒に、骨の形と、歯茎の高さのラインまで整えることが可能だからです。
歯並びだけが良くても、美しく見えないことがあるんです。
歯茎と歯茎の間に、大きな隙間があったり、歯茎の高さがバラバラだったりする場合ですね。
歯並びは綺麗だけど、歯茎の高さがデコボコしていたり、骨の形が悪くて歯と歯の間の歯茎のところに大きな隙間があったりすると、どうしても綺麗に見えないんです。
その問題が、歯周病治療と矯正治療を組み合わせることで、解決する場合が多いんですね。
そうすると、笑った時に歯茎のラインが見えた時に歯茎の高さが揃えられ、健康な歯茎も手に入れられるので、笑った時の笑顔が美しくなります。
磨きやすくなり、虫歯と歯周病の予防につながる
矯正すると、歯列が整うので、歯が磨きやすくなります。
デコボコしていて、歯並びが悪くなっているところがあると、磨きにくくて、その部分から歯周病になったり、虫歯になったりすることがあります。
その磨きにくかった歯並びが解消されるので、普通の歯ブラシの方法で、プラークコントロールしやすくなり、歯周病予防や虫歯予防につながる可能性があるのです。
また、矯正治療に歯周外科治療を組み合わせることで、歯周病で歪な形に溶けてしまった骨の形態を整えることができるので、結果、ポケットの深さが浅くなり、歯周病がコントロールでき、再発もしにくくなると考えられます。
神経の処置、被せ物、ブリッジ、インプラント、入れ歯などの本数が少なくなるので、費用が抑えられる可能性がある
歯周病治療と矯正治療をすることで残せる歯が多い場合、自分の歯を最大限生かすことが可能です。
矯正治療と歯周病治療で、自分の歯のエナメル質の美しさと強さを、最大限に生かした治療ができる、ということです。
そうすると、歯を削って被せる本数も少なくなり、そのため、神経の処置をする歯が少なくなります。
それは、矯正治療と、歯周病治療で、骨が再生して、きちんとした噛み合わせと審美的なゴールまで歯科医師が持っていく手技があるかどうか、にもよりますが、可能な場合もありますので、実際可能かどうかは、相談してください。
インプラント周囲炎になりにくくなる
歯周病の方が、抜歯部位にインプラントをする場合、矯正治療と組み合わせると、インプラントの位置や周囲の骨の形態も理想的に整えることが可能となるため、インプラント周囲炎にもなりにくい可能性があります。
インプラントの被せ物(上部構造)は元々インプラントの直径が3〜5mmであるのに対し、歯の大きさは7〜11mmの幅があります。つまり理想的な位置にインプラントが入るもしくは、周りの歯並びも綺麗に整っていないと、インプラントの被せ物が大きい形になったりするわけです。
この大きく張り出した被せ物のせいで汚れが溜まりやすくなり、インプラント周囲炎になりやすいのではないかと最近注目されています。このお話はワシントン大のKatafuchiら2018年、韓国のYiら2020年、タイのRungtanakiatら
これらの先生方が別々で報告しているのにも関わらず、被せ物の角度は30度以内でないと綺麗に磨けない。メンテナンスできないかもと言われています。
だから、いい位置にインプラントを埋入したり、矯正治療で、他の歯並びを整えておくことがインプラント周囲炎を予防するためには重要なのです。
再治療がそもそも少ない。再治療があった場合も最低限で済む。
ブリッジで繋いでいる歯や削っている歯が少ないので、再治療も少なく、いざ、再治療になった時も、必要な箇所のみ行うことが可能となります。
歯周病の人が矯正治療をする欠点と危険性
歯周病の人が下手に矯正治療をすると、歯周病が悪化し、歯が抜けてしまう可能性がある
歯周病の人が矯正治療をすると、歯が抜けてしまう可能性があります。
これまで当院も開業以来15年間、多くの患者様を見てきましたが、他院で矯正中という患者様が来院して、ポケットがズブズブ入ってX線検査するとめちゃくちゃ歯周病が進んでいる。と言う患者様に遭遇することが多々ありました。
患者様は歯並びを治したい理由で、矯正科を受診する。→
矯正専門医はあまり歯周病をチェックしていない場合がある。この様なときに患者様にとって思わぬ結果(歯周病が悪化)が生まれているのだと考えられます。
もちろん、歯周病専門医と十分な連携の取れている日本矯正歯科学会の認定医、専門医、指導医の先生方におかれましてはその様なことは十分注意してくださっているとは思いますが、現実、患者様にその様な悲惨な事象が起こっているのです。
全ては歯周病のコントロールがうまくいかない場合に起こります。
(Ericsson 1977)
歯周病は、多くの方が知らない間にかかってしまう、怖い病気なのですが、歯周病が悪化すれば悪化するほど治療が難しくなります。
歯周病を正確に検査するのも、実は難しい、ということも、あまり知られていない事実かもしれません。
正確に検査しないと、自分がどれくらい歯周病が進んでいるのかもわからないのですが、これも、やはり、歯周病専門医で、きちんと検査しないと正確な結果が得られにくいのも事実です。
なので、成人の7〜8割が歯周病にかかっていると言われているのですから、成人の場合、矯正治療の前や、矯正治療中に、きちんと歯周病の検査や治療をしないと、歯周病が悪化しても気がつかない危険は常に留意しておかなければなりません。
少しでも歯周病がある、または注意しなければならない成人以降の矯正は本当に注意が必要で、できたら歯周病専門医が携わりながら矯正を行うのが安全です。
そもそも歯周病と矯正治療ができる歯科医師が少ない
歯周病のある人の矯正治療は、嫌がる矯正医が多いです。
長い間、歯周病のある人の矯正治療は危ないと言われ続けていたので、当然のことだと思います。
歯周病と矯正治療を両方うまく成功させようと思ったら、矯正治療の技術と、歯周病を治す技術が両方必要です。
しかも、歯周病の高度な外科処置の手技と知識を熟知していないと成功しません。
歯周病と歯並びは、切っても切れない関係です。
歯周病が進んでしまうと、歯が移動し、歯並びが悪くなるからです。
近年の報告では、歯周病のステージ3〜4(重度の歯周病)では上顎で74.4%、下顎で60.3%の確率で病的な歯の移動が発生しているとされています。(Zasciurinskiene2023年)
歯周病を綺麗に治そうと思うと、非常に難しく、歯周病を治す技術だけだとうまくいかないことが多いんですね。
理想的に綺麗に治すには、歯周病治療と矯正治療の組み合わせが必要なことが多いです。
抜く歯がある場合には、さらにプラスして、インプラント治療の技術を組み合わせての治療が最善であることが多いです。
それに加えて、矯正治療も技術が必要となると、全部できる先生自体が非常に限られる。
もちろん世界的には分業化が進んでいて、日本以外の国では
歯周病専門医、矯正専門医、補綴専門医がコラボレーションして治療を進めることが多いです。しかし、日本ではこの専門医制度の徹底化がいまいち進んでいない現実があったり、
大学病院ですら歯周病専門医と矯正専門医がしっかり組んでやれてないことが多いのです。
ですから歯周ー矯正ができる先生。またはそのチームがいる場所、その先生らを上手に見つけることが大切です。
もちろん一般歯科の先生でも、歯周病と矯正治療を組み合わせた治療を、とても上手にできる先生もいらっしゃるかもしれません。
でも、その様な先生に巡り会えるのは本当に難しいですが、もし、必要な人は、歯周病専門医か、歯周病を専門にしていて、その上で矯正治療にも力を入れている、歯科界での勉強会がありますので、その先生たちが集まったのFacebookグループを載せておきます。
https://www.facebook.com/kudomotomu
勉強会、研究会の名前は、Perio Ortho Project(通称POP)と言って、歯周矯正の研究会を院長の工藤求が立ち上げています。メンバーは大学教授、講師、博士、認定医、専門医、指導医の先生方で構成された研究会です。
現在は、POPメンバーが誰なのかを知ることは外部からは難しいようです。
もし、歯周病でお悩みの方は、近くの歯科医院をご紹介することも可能なので、一度ご相談ください。
歯科医師によって治療計画や結果に差がありすぎる
歯科医師によって、治療結果に差が出ます。
歯周病専門医の中でも違いはあります。
一定の厳しい試験は突破クリアしているので、ある一定の基準は満たしているものの、考え方や、大切にしたいこと、得意不得意、技術差ももちろんあります。
いろんな人がいるように、いろんな歯科医師がいます。
一般歯科の先生になると、もっと違いは顕著です。
歯周病治療について、得意な先生もいるし、不得意で軽視している先生もいます。
歯周基本治療は得意でできるけど、歯周再生療法まではあまり得意でない先生もいます。
矯正の先生は、専門が矯正です。
矯正治療について、矯正単独の治療はできるけど、一般歯科は専門外、なので、お任せスタイルの先生も多くいらっしゃいます。と言うよりほとんどが矯正治療しかしません。
同じ歯科医師免許なので、違うって言ってもそんなに差はないだろうと思われるかもしれませんが、実際に得られる結果は、治療が難しくて複雑になる程、結果の差は大きくなります。
治療の結果が良いと大変喜ばしいのですが、結果が悪いと大変です。
例を挙げると、矯正治療をしていたのに、歯周病を軽視し、矯正治療のみが進んでいってしまう場合があります。
これが本当に危険なのです。
隠れた歯周病があるのに、気がつかず矯正を行なってしまうと、もともと炎症があるのに、、さらに骨がなくなってしまって、ぐらぐらする歯になってしまったりします。
当院にいらした患者様で、矯正治療が先行して、歯周病治療は他院に丸投げのスタンスの歯科医院での矯正治療がほぼ終わっている状態で来院されました。
矯正治療はほぼ終わっているのに、歯周病で支えている骨がなくなってしまってますから、歯はぐらぐらしていて、とてもじゃないけどこのままで歯が揺れて噛めない状態。
矯正したのに、歯並びは綺麗なのに、このあと、抜歯して入れ歯やインプラントなどの他の治療が必要でした。
その事実をお話しすると、本当にショックを受け、お困りの様子でした。
矯正医も悪気があってそうしているのではないと思いますが、
矯正を折角したのに、こんな状態になるなんて、患者様も思ってもみなかったと思います。
歯科医師、歯科医院で、治療計画や結果に差がありすぎるので、注意が必要です!
患者様の協力度により、治療結果が左右する
歯周病治療と矯正治療の成功は、患者様の協力が必要不可欠です。
歯周病治療は、患者様と歯科医院の二人三脚で行われます。
歯科医師にも十分な技術と知識が必要なのもさることながら、患者様もブラッシングや悪習癖の影響を十分理解し、協力し、よりプラークの少ない、問題の少ないお口に変化していけるよう、努力が必要です。
また、必要なタイミングでの来院も必須です。
そして、その治療を信じて自分も協力できることが大切。
歯科治療はいつも、二人三脚なんですね。
そして、治療終了後、結果さえよければ、その後ずっと良い状態が続くのか、というと、そうではありません。
治療後のリテーナーやメンテナンスも、良い治療結果の継続には必要不可欠です。
歯周病の人が行う矯正治療の種類
ワイヤー矯正
メリット
従来のブラケットをつける方法で、歴史があります。
矯正治療をすることで、噛み合わせや歯並びを理想的でき、歯周病や虫歯を予防することにもつながります。
デメリット
ワイヤーの周りが不潔になりやすいので、歯ブラシが難しいけど虫歯にならないように上手にする必要があります。
あと、CTやセファロとの重ね合わせなどのデジタルの部分との融合が難しいので、骨の中の歯の位置の把握や、シュミレーションが、画面上で不可能な場合が多いです。
ワイヤーの力のかけ方なども、術者の手技で行うため、歯を動かす力のコントロールが難しい場合があります。
マウスピース矯正
メリット
マウスピース矯正は、マウスピース1枚で歯を動かす量が最大で0.25ミリと決まっています。
そのため、計画的に、歯を少しずつ移動させるため、過度の力が歯にかかる、という心配はなく、歯周病の進行を考慮しながら歯を正しい位置に移動させることができるので、歯周病の人には安全です。
さらに、 理想的な歯の噛み合わせや歯並びを、パソコンの画面上でデジタルシュミレーションして、ゴールが設定できます。
理想的な歯の位置や噛み合わせのゴールを明確にでき、それに沿ったマウスピースを作成するため、デジタルでのシュミレーションに沿って歯を動かすことが可能です。
矯正中も、マウスピースを外せば、綺麗に磨けるので、ケアがしやすく、歯周病の進行を抑えることができます。
結果、歯の寿命を延ばすことができます。
マウスピース矯正の種類は、インビザラインをはじめ、色々あります。
インビザラインのメリット、デメリットがあります。
そのデメリットを払拭するような最新の矯正システムも当院で取り扱っていますので、何かあればご相談ください。
デメリット
患者様の協力度がかなり重要になります。マウスピースを装着する時間が短かったり、装着していない場合は、歯が予定通りに動かない可能性があります。
マウスピースを無くす人がいる。マウスピースを無くしてしまうと、予定通りに進みません。
また、術者の技術によって治療結果に差が出ます。
矯正専門だから大丈夫っていうわけではありません。
利益を追求するような歯科医院もあるから注意が必要です。
矯正治療の契約後、歯科医院は潰れて、返金はなし、
患者様は泣き寝いりするような、国内外でトラブルがあるみたいです。気をつけてくださいね。
スピード矯正の種類
光を用いたスピード矯正
光を用いて、歯周組織を活性化させ、歯の移動をスピーディにすることが可能で、治療期間を1/3に短縮することが可能です。
マウスピース矯正に組み合わせることが多い治療法です。
TAD(矯正用アンカースクリュー・短いインプラント)を用いた矯正
TAD(Temporary Anchorage Device)は、矯正治療において使用される一時的なアンカースクリューまたはミニインプラントです。
TADは、歯列矯正のために骨に直接挿入され、歯の移動に対して安定した支持を提供します。
TADを使用することで、従来の矯正治療では難しかった歯の移動や歯列の補正が可能になります。
以前は、ワイヤー矯正と併用されることが多かったですが、今では、マウスピース矯正との併用が可能となっています。
TADは、特に以下のような矯正治療において有用です。
1. 奥歯の歯を理想的な位置に移動できる
通常の矯正治療では難しい、歯列の奥に位置する歯の移動を行う際に使用されます。
TADを骨に挿入することで、歯を正しい位置に移動させることができます。
2. 倒れた歯の補正
歯列の中で倒れた歯を正しい位置に戻すために、TADを使用することがあります。
TADは、歯に対して安定した支持を提供し、倒れた歯を正しい角度に戻すことができます。
3. 隙間の閉鎖
歯列の間に隙間がある場合、TADを使用して隙間を閉鎖することができます。
TADを挿入し、歯を引っ張ることで、隙間を狭めることができます。
TADの挿入は、歯科医師によって行われます。
手術は一般的に局所麻酔下で行われ、骨にTADを挿入するための穴が開けられます。
TADは一時的なものであり、治療が終了した後に取り外されます。
TADを使用した矯正治療は、通常の矯正治療と組み合わせて行われます。
TADは、歯の移動に対して追加の支持を提供するため、より正確な歯列の補正が可能になります。
ただし、TADを使用した矯正治療にはいくつかの注意点もあります。
TADの挿入には手術が必要であり、骨に対するリスクや感染の可能性があります。
また、TADの使用による歯や骨の損傷のリスクもあります。治療の適応やリスクについては、歯科医師との相談が必要です。
以上が、TADを用いた矯正治療についての説明です。具体的な治療計画や効果については、歯科医師との相談をおすすめします。
ピエゾシジョンを用いた外科的加速矯正
ピエゾシジョンは、骨に対して、高い周波数の振動を与えることで骨を切削することができます。
歯根と歯根の間の骨の硬い部分にピエゾシジョンで切り込みを入れて、歯の移動を促進します。
通常の矯正治療に比べて、より迅速に、歯を動かしやすくする手法です。
通常では、数年以上の時間がかかる場合でも、外科的加速矯正で治療期間を短縮することが可能になります。
MSE(maxirally sceitai expansion) 口蓋を広げて、上の顎を広げる矯正
MSE(Maxillary Skeletal Expander)は、上顎の口蓋の骨を広げるための矯正治療法です。
MSEは、上顎骨の成長を促進し、口蓋の幅を広げることで、歯列の不正や顔の形状の改善を図ることができます。
MSEの治療は、まず歯科医師による詳しい検査と診断後、口腔内にMSEの装置が取り付けられます。
MSE装置は、上顎の口蓋に固定され、骨の成長を促進するための圧力をかけます。
MSE装置は、特殊なネジ機構を備えており、定期的に調整が行われます。
ネジを回すことで、デバイスが徐々に広がり、上顎骨が拡大されます。
MSE治療は通常、数ヶ月から1年程度の期間が必要です。
治療中は、定期的に歯科医師の診察を受ける必要があります。
子供の矯正の1期治療で行われる場合mもありますし、大人の矯正治療(ワイヤー、マウスピース)と併用してが行われることもあります。
MSE治療のメリットは、口蓋の骨を広げることで、歯列の不正や顔の形状の改善が図れることです。
ただし、MSE治療にはいくつかの注意点もあります。
治療中は、デバイスの調整や口腔内の清掃に注意が必要です。
また、治療の適応やリスクについては、歯科医師との相談が必要です。
以上が、MSE上顎の口蓋の骨を広げて矯正治療をする方法についての説明です。
具体的な治療計画や効果については、歯科医師との相談をおすすめします。
歯周病と矯正の当院の取り組み
歯周炎の患者様に対する矯正治療。
これは非常に難しい治療で、世界中の先生が現在も模索している分野です。
世界中の、どこの大学病院でも、この歯周ー矯正に特化した医局や、外来がないのです。
当院の院長工藤求は20年以上前からこの分野に興味を持ち、臨床を続けてきました。
歯周病で骨が溶けてはが、グラグラになり、病的に歯並びが崩れてしまう。この歯並びを歯周病の治療と一緒に治す。
歯周病は、進行すればするほど、治すのが難しい病気です。
患者様が歯周病がひどくなった時に、どんな歯科医院にいけばいいのか、とっても悩むと思います。
歯がぐらぐらして噛めなくなって、歯並びも崩れてきて、見た目も悪くなって、どうしたらいいか本当に見当がつかなくて困ってしまうと思います。
歯科医の中でも、抜歯一つとっても、今後どうしていくか、歯科医師の技量や考え方により、治療方針が様々で、いろんな歯科医師の話を聞くと、余計にどうしたらいいかわからなくなってしまうかもしれません。
そんなふうに歯周病で悩んでいる人のための助けになりたい。
そんな思いで、歯周病の患者様に出会うたびに、この患者様にとって、ベストな治療は何か?を、常に考え、最新の知識を海外の学会があると参加し、知識を更新し続けてきました。
2015年に、ロンドンで開催されたヨーロッパ歯周病連盟のEuroPerio8という学会に出席し、イタリアのMario ROCCUZO先生の、歯周矯正の講演を聞いて、自身の臨床の方向性、自身の歯周ー矯正の治療法の考えに確信が持てたと、院長は私に話してくれました。
帰国後すぐに勇士とともにPerio-OrthoーProjectという歯周病の患者様に対する矯正治療の勉強会。研究会を立ち上げた経緯があります。
歯周病治療だけの技術だと、見た目まで良くはならないことが多く、歯をできるだけ削らないで治したい当院の思いを実現するには、歯周病治療と、矯正治療とインプラントの組み合わせは、必要不可欠です。
実は、先日、院長は、ヨーロッパ歯周病連盟主催のPerio Master Clinicという本当の専門家、マスターと称される人だけが集まる学会の国際大会International Perio Master Clinicという学会で講演する機会を得ました。
このマスタークリニックで日本の臨床家で講演した人はまだいません。日本人初の快挙です。もちろん今回も日本人の演者は院長1人だけです。
今回は、2003年に院長が勤務医時代にInternational Journal of Periodontology and Restorative Dentistryという英論文ジャーナルの論文を目にしてからずっと彼の臨床を追っていたDaniel Cardaropoli先生の推薦でした。
たくさん準備をして、今回はこれまでたくさんの先生方から教わった考えのまとめと、今、院長が考えていることを色んな思いと共にお話ししてきたそうです。
結果は、大成功で、多くの著名な世界各国の先生方から、お褒めの言葉をいただきました。
発表後は、多くの先生方が列を作って、質問や意見交換をさせていただき、有意義なディスカッションができたそうです。
この発表には、多くの方々のご支援やご協力がありました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
最後に、この場をお借りして、ご支援いただいた皆さまに心から感謝申し上げます。
まとめ【重度歯周病でも矯正治療可能 決して諦めないで】
歯周病でも矯正治療は可能です。
むしろ、多くの重度の歯周病患者様にとって、メリットが大きい治療の組み合わせだと言えます。
ただし、歯科医師の選び方、メリット、デメリットの理解、患者様の協力が必要なので、よく理解した上で治療を受けるようにしてくださいね!