こんにちは。プリズムタワー工藤歯科、副院長の工藤有加です。
歯が急に痛くなってしまった!
痛くなったのに、今すぐ歯医者さんに行けない。
困った。何かできることはないか?とお悩みの方。
自分でできること、また、しては行けないこと、避けた方が良いこと、また、二度とこんな痛い思いをしたくない方のために
・歯の痛みに対して今すぐできることは何かあるのか?
・自己判断はNG!痛みがでたら、早めの歯科受診を
・今後、こんな痛みを繰り返さないために自分でできる事。
の順番で書いていきたいと思います。
1、歯が痛い!痛みの程度はどれくらい?
まず、痛みの程度がどれくらいか?と言うのを自分の感覚で良いので答えてください。
一言で、「歯が痛い」と言っても、人それぞれ、痛みにも種類があるからです。
MAX10にして、最高に痛い痛みを10とします。
今の痛みは1から10のうちのどの段階でしょうか?
10に近ければ、近いほど、耐え難い痛みだと思います。
1に近ければ、どんな時にどんな痛みを感じるのか?を自分で確認してください。
この情報があれば、歯科医師も、より正しい診断ができます。
2、痛みの段階別、今すぐできることは何?!
先ほどの痛みの段階で10に近い痛みで、耐え難い痛みの場合、
・バファリン
・カロナール
・ロキソニン
などの、市販の痛み止めを飲んでも大丈夫です。
もし、歯科医院に行けそうだったら、早めに受診してください。
痛み止めがなかったら、歯科医院を受診したら痛み止めを処方してもらえます。
痛みの原因は何であれ、痛みがあっては、生活がままなりませんよね。
注意してほしいのは、痛みを薬で和らげる前の痛みが、どんな時にどんな痛みでどの程度だったかを答えられるようにしておいてくださいね。
先ほどの痛みの段階で、5以下で、我慢できるくらいの痛みの場合、
どんな時にどんな痛みで、どの程度なのか?を答えられるようにしておいてください。
そして、早めの歯科医院の受診をお勧めします。
3、避けた方がいいことはあるか
原因にもよりますが、歯の痛みの程度がひどく、歯の痛みの理由がわからない場合は、
・長風呂
・サウナ
・深酒
・運動
などの血流が良くなることは避けたほうが良いと思います。
血流が良くなると、痛みが増すことが多いです。
4、歯の痛みの原因は何か?
歯の痛みの原因が何か?を知りたいですよね。
でも、簡単にはわからないです。
どの歯が何の理由で痛いのか?を正しく判断して、正しい治療をしてもらうと言うことは、患者様にとってとても有益なことなので、自分でもある程度、わかっておいた方が良いですよ。
以下、自分でも痛みの原因がある程度知れるように、痛みの原因を書いていきますね。
大きく分けて、歯が原因か、歯以外が原因か、に分けられます。
1、歯が原因の痛み
(1)虫歯の痛み
歯が黒くて穴が開いていたりしませんか?
冷たいものや、温かいもの、甘いものが染みるけど、痛みは一時ですぐに治る場合は、虫歯が原因かもしれません。
(2)知覚過敏の痛み
歯の根の部分が見えていたり、歯肉が下がっていたりしていませんか?
冷たいもの、温かいもの、甘いものが染みるけど、一時的な痛みですぐに治り、虫歯のような黒い穴などはなく、歯茎が下がっていたり、歯の根の部分が見えている場合、知覚過敏が原因かもしれません。
(3)歯の神経の痛み
歯に黒く大きい穴が開いていたり、以前に虫歯を治した歯や、亀裂が入った歯はないですか?
冷たいもの、温かいもの、甘いものなどで染みて痛みが30秒以上続く。何もしなくても痛い場合、神経の炎症が原因かもしれません。
(4)歯の根の先の痛み
噛むと痛かったり、歯の根本の部分が腫れていたり、押すと違和感があったりしませんか?
以前、根の治療をした歯が噛むと痛い、歯の根の部分の腫れや痛みがある場合、歯の根の先の病気が原因かもしれません。
(5)歯肉の痛み
①歯周病がひどく進んでいる場合の痛み
歯茎が赤く腫れたり、歯茎から膿がでていたり、歯が揺れていたりしませんか?
その場合、歯周病が原因かもしれません。
②歯の磨きすぎで、歯肉に傷ができている場合の痛み
歯ブラシや歯間ブラシの力が強すぎたりして、歯ブラシの後、歯茎の痛みがありませんか?
その場合、歯ブラシの仕方が間違っていて、歯茎を傷つけて痛みがでているかもしれません。
2、歯以外が原因の痛み
(1)粘膜の痛み
歯とは離れた部分の粘膜が赤く爛れていたり、傷になっていて、その範囲が広い場合、感染や、全身疾患が原因かもしれません。
(2)筋肉の痛み
慢性的によくわからない痛みが続いていたり、噛むと痛いけどどこが痛いかわからない、ほっぺたの筋肉を外から押すと痛かったり、頭の横の筋肉部分を押すと痛かったりしませんか?
噛む時によく使う筋肉が疲労して、痛みを起こしているかもしれません。
(3)三叉神経痛の痛み
繰り返し、発作のような痛みを繰り返し起こしている場合、三叉神経の痛みが起きているかもしれません。
(4)帯状疱疹の痛み
口の中に水泡がありませんか?
その場合、ウイルスが原因で神経の炎症が起こり、その神経に沿って痛みがでているかもしれません。
(5)心因性の歯痛
ストレスなどが原因で、心の病気が歯の痛みとしてでてしまう場合があります。
5、自己判断はNG!痛みがでたら、早めの歯科受診を。
先ほどの内容である程度、自分の痛みの原因が何かな?というのが検討がついたでしょうか?
ただし、自己判断で、そのままにしておくのは大変危険です。
詳しくは、レントゲンを撮影したりして、実際に診査診断しないとわからないです。
なぜなら、歯の神経って、全ての感覚を「痛み」として、脳に伝えてしまうんです。
歯科医師でも、痛みの鑑別診断が難しい場合があります。
なので、次の診査、診断をして、歯科医師が、正しく原因を突き止めて、適切な処置をする必要があるのです。
6、歯科医院での詳しい診査項目→痛みの原因を突き止める
痛みの種類にもよりますが、歯の傷みの理由を、歯科医師、歯科衛生士の有資格者が、次の項目の診査をして、痛みの鑑別診断を行います。
・レントゲンを撮影
・ポケットの深さの測定
・歯の揺れの測定
・炎症があるかないか
・歯を1本1本叩いて感じ方に違いがないか
・電気を通して神経が生きているか、死んでいるかの判断
・冷たい刺激、温かい刺激を歯に与えて冷水痛、温水痛があるのかの判断
この、診査のもと、鑑別診断で、
・どの歯が痛みの原因なのか?
・その歯が起こしている原因は何か?
・なぜ、それを引き起こしてしっまっているのか
ということを、歯科医師の知識や経験を通して、正しく診査診断し、その診査診断を患者様に説明して、その歯に必要な治療方法をいくつか説明して、患者様と一緒に治療方針を決めて、はじめて、治療に入る、ということなんです。
歯科医師にとって、これが最初に正しくできるかどうか、というのが、初歩的なことではあるのですが、場合によっては、診断が難しいケースもありますし、歯科医師によっても違う場合もありますし、場合よっては見抜けない場合もあります。
複数の歯科医師で、診査診断して、見解を一致させると、より、その痛みの原因は正しく突き止められると思います。
痛みの原因の鑑別診断は大切だし、難しい場合もあるし、経験値が必要な場合も多いです。
痛みの原因を自分で診査診断せず、信頼のできる歯科医師に診査、診断してもらって、原因突き止め、必要な治療をしてもらいましょう。
7、今後、この痛みを繰り返さないために
痛くなるまで歯を放っておかないでください。
痛くなったら、大変ですよね。
こんな痛みはもう味わいたくないと思った方は、定期検診、メンテナンスに通ってください。
・自分の歯の現状の把握
・注意が必要な歯
・自分の歯周病の状況
・親知らずの状況
・食いしばりや歯軋りがありそうか?
・顎関節の状況は?
・食生活で注意することは?
・虫歯になりやすい?なりにくい?
・予防に効果的なこと
など、自分の口の中に必要な歯に関する基礎知識を、歯科医院に説明してもらってください。
それで、歯科医院と、患者様との共通認識にすること。
そうすると、定期検診を受けることにより、
・怪しい虫歯の早期発見、早期治療。
・歯周病の状況の把握と予防。経年的な記録による歯周組織の変化。
・問題のある食生活、生活習慣の気づき
を発見し、患者様と共有できます。
定期検診で、患者様ご自身も、歯科医師や歯科衛生士とお口の状況を一緒に把握して、問題が小さいうちに、早めの対処をすることができます。
それが痛みを繰り返さないコツです。
8、まとめ
・痛い時は市販の痛み止めを飲んでOK
・痛みのレベル、どんな時にどんな痛みがあるかを答えられるようにしておこう
・痛みの鑑別診断はプロに見てもらうのが肝心。早めの歯科受診がおすすめ
・早期発見、早期治療には定期検診を受けることが大切
というお話でした。
みんなの大切な歯を守るには、早期発見、早期治療が要です。
信頼のおける歯科医院を作って、歯科検診で定期的に見てもらいましょう♪