こんにちは。プリズムタワー工藤歯科、副院長の工藤有加です。
今日は、歯茎が下がってしまい、困っている人のための記事を書きます。
歯ブラシ頑張って綺麗なピンク色なんだけど、歯茎が下がってきた気がする
前に被せてもらった被せ物の歯茎が下がって境目が黒く見えてきて見た目が悪い
最近歯が長くなったように感じる
など、歯茎が下がると、見た目が悪くなり、気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今日は、そんな歯茎が下がって気になる方に、歯茎が下がる原因と、その対処法について書いていきたいと思います。
歯茎が下がって見た目が悪くなってしまったけど、元に戻す方法はありますか?
結論から言うと、下がってしまった歯茎を自力で戻す方法はありませんが、歯周病のスペシャリストによる歯茎の改善方法はあります。
大前提として、歯周病の基本的な治療は済んでいて、歯茎の炎症はコントロールされているものとします。
もし、歯茎が下がっていて、歯周病の検査もクリーニングも受けたことがない人は、基本的な歯周病治療を歯科医院で受けてください。
基本的な歯周病の検査とクリーニングや歯石とりは終わっているものとして、歯茎が下がっている方への治療法として、
・歯茎の手術をすることで、下がった歯茎を元に戻す方法
・矯正治療で歯を適切な位置に移動させることで、骨と歯茎と歯の関係性が改善し、歯茎の位置を元に戻す方法
・歯茎の手術と矯正治療を組み合わせる方法
・歯茎の手術をした後、被せ物を作り替えて、見た目を良くする方法
の4つが考えられます。
非常に高度なテクニックを要するため、歯周病のスペシャリスト、歯周病専門医、指導医に診てもらうのが良いでしょう
ですが、その前に、歯茎が下がった原因を突き止め、その原因を取り除く必要があります。
次に何が原因で歯茎が下がっているのかをチェックしてみましょう。
あなたの歯茎はどっちのタイプ?歯茎が下がりやすい?下がりにくい?
歯茎が下がりやすい人、下がりにくい人、実は、タイプが別れます。
これは、ペリオドンタルフェノタイプ(生まれ持った歯茎のタイプ)と言って、2018年に世界的に共通言語となりました。
このフェノタイプ、簡単に言うと、歯肉がもともと薄いか、分厚いか、の分類なのです。
ご心配な方は、唇をめくった時に、歯根(歯の根っこ)の形が、歯茎から透けて見えるか、見えないかで確認してください。
歯根の形が自分で形が見える方は、歯茎が薄いタイプ、つまり、歯茎が下がりやすいタイプの可能性があります。
歯茎が下がって、歯が長く見える原因
歯茎が下がって、歯が長く見える原因は様々です。
原因は1つのこともあれば、複数ある場合もあります。
次に、原因をいくつか列記するので、自分はどれに当てはまるのか?チェックしてみましょう。
セルフチェックでもある程度のことはわかりますが、プロの目線から見るとさまざまな原因が重なっているかもしれませんよね。
自分でのセルフチェックにはどうしても限界があります。
大きな病気が隠れている可能性もあるかもしれないので、レントゲン等を撮影する必要性があり、歯科医師による診査診断を頼っていただけるといいと思います。
歯周病
歯茎が下がった、歯が長く見える、それと同時に、歯茎からの出血や、茶色か黒い歯石が付着していたり、歯茎が腫れたり、歯が揺れたりしていたら歯周病の可能性が高いです。
歯周病が悪化、進行すると、歯を支えている歯槽骨(歯が植わっている骨の部分)が溶けてしまうので、その上にある歯茎も下がってきて歯が長くなったように見えます。
矯正治療
矯正治療をしたことがある人はその矯正治療自体が原因で、歯茎が下がっている場合があります。それは、歯槽骨(歯が植わっている部分)と歯の位置と歯茎の位置のアンバランスが理由です。
矯正治療後に、歯茎が下がり、歯が長くなってしまい、見た目が悪くなってしまった。
せっかく矯正治療をして、歯並びは綺麗になったのに、歯茎が下がってしまって残念な思いをされている方もいらっしゃいます。
不適切な歯ブラシ方法
歯を磨くときにゴシゴシと力を入れすぎる癖のある方は、歯ブラシ方法が不適切なことが原因で歯茎が下がっている可能性があります。
バランスの悪い噛み合わせ
歯並びが悪い、という自覚がある方は、噛み合わせのバランスが悪いことが長年続いていると、ある一定の歯に過剰な力がかかり続けると、歯はその力を避けるようにして移動します。その移動した位置が、埋まっている骨から逸脱した位置に移動してしまうと、歯茎が下がることがあります。
歯軋りや食いしばり
歯軋りや食いしばりのある方は、ある特定の歯に力が加わっている可能性があり、その歯の歯茎が下がってしまうことがあります。
歯の根の病気
噛んで痛い歯がある場合、歯の根の病気が大きくなっていて、歯周病と合併してより病巣が大きくなってしまい、歯茎が下がる原因となります。
歯の破折
歯がぐらぐらして違和感や痛みがある方は、歯が破折してしまっている可能性があります。破折した部分にバイ菌が入り込んでしまうため、その部分の骨が溶けてしまうので、歯が長くなったように見える場合があります。
歯茎が下がってしまった原因に対する対処法
大まかな原因はセルフチェックできましたでしょうか?
次にそれぞれの対処法を見てみましょう。
歯周病に対する対処法
歯周病治療をして、歯茎が下がるのを食い止める必要があります。
放っておけば、歯周病は進行するばかりで、最終的には、歯を失うことになります。
歯周病治療後に再評価をして、歯茎を元に戻す手術が出来るかどうか、歯科医師に相談してください。
矯正治療に対する対処法
まずは、かかっている矯正の先生に相談してみてください。
仕方ない、こういうものです、と言われたら、歯周病専門医、指導医に相談してください。
不適切な歯ブラシ方法の対処法
ご自身の歯ブラシ方法が不安な場合は、かかりつけの歯科医師に相談してください。
ブラッシング圧やブラッシングの方法を改善することで、余計に歯茎が下がってしまうのを防ぐことができるでしょう。
一度下がった歯茎を元に戻すのは、歯周病専門医指導医でないと難しいことが多いです。
ご自分で探されるのも選択肢の一つですが、まずははかかりつけの歯科医に相談して見るのも良いかもしれません。
バランスの悪い噛み合わせの対処法
噛み合わせが悪くて歯茎が下がる場合、歯周病など他の要因が合わさっていることが多いです。
歯並びと歯茎の見た目も同時に改善したい場合は、歯周病専門医指導医主導で矯正治療ができる歯科医院を選ばれることをお勧めします。
わからない場合は当院にご相談ください。
歯軋りや食いしばりの対処法
歯軋りや食いしばりがあって、歯茎が下がっている場合、歯周病など他の原因があることが多いです。
食いしばりや歯軋り自体を止めることは難しいですが、マウスピースやナイトガードと呼ばれるものを使用することで直接力が加わらないようにできます。
その前に、歯周病などの病気を治す必要があります。
歯の根の病気の対処法
歯の根の病気が大きい場合、根の治療をして治せる場合と治せない場合があります。
治せると判断できる場合は、根の治療をしますが、治せないくらい大きくなっている場合は、抜歯になる可能性もあります。
歯の破折(歯の根が折れている)場合の対処法
歯が破折、折れていることが原因で歯茎が下がっている場合、折れている部分が歯茎の中の可能性が高いです。この場合、抜歯になる可能性が高いです。
まとめ
歯茎が下がっていたら、まずその原因を突き止めて原因を除去する治療が必要です、その先に下がった歯茎を元に戻せる方法があるのか?を相談しましょう。
歯茎が下がったら、まずは、原因を突き止め、その原因を排除する必要があります。
歯茎が下がる原因を突き止めることができ、その原因を排除することができたら、その先に下がった歯茎を元に戻す治療が可能となる場合もあります。
方法は大きく分けて、
・手術で下がってしまった歯茎をできるだけ元に戻す方法
・矯正治療で歯を適切な位置に移動させることで、骨と歯茎と歯の関係性が改善し、歯茎の位置を元に戻す方法
・手術と矯正治療を組み合わせる方法
です。
いずれの場合も、非常に高度な技術を要するため、歯茎が下がって見た目を治したい方は、歯周病専門医、指導医にその治療法を相談することをお勧めします。