こんにちは。プリズムタワー工藤歯科の工藤です。
本日は、歯周病の検査で最も大切な、歯周病検査についてお話ししていきます。
どの歯科医院でも行われている歯周病の検査。
かかりつけの歯科医院で治療が始まる前に、歯周病の検査をします。
定期的に記録することで、治療前後の比較、経年的な変化が記録でき、自分の歯科治療の歴史を辿ることができ大変有効です。
ぜひ、歯周病の検査について知り、自分のお口の健康に役立てましょう。
歯周病検査とは
歯周病検査とは、歯を支える周囲の組織の検査をすることです。
・歯肉
・歯槽骨(歯を支える周りの骨)
・歯根膜(歯の根と骨の間の薄い膜)
・セメント質(歯の根の一番外側の表面の部分)
についての検査です。
歯は、歯の周りの組織に支えられています。
歯の周りの組織がしっかりしないと、歯がぐらぐらになってきてしまいます。
そうならないよう、歯周病の検査をして、少しの変化に気がついて対処する事が大切です。
歯周病検査はなぜ大切なのか
歯は歯の周りの組織に支えられています。
・歯周組織は、外側から見るだけでは、変化に気がつかないことが多い
・歯周病が進んでも自覚症状がない
のが特徴です。
外側から見ただけでは、少しの変化に歯周病の検査をすることで、歯を支えている周りの組織の少しの変化に気が付くことが可能となります。
歯周組織の少しの変化に気がついて、対処することで、歯周病の進行を防ぐことができるのです。
歯周病検査の種類
レントゲン検査
X線検査で歯槽骨や歯や歯根膜(の状態を調べます。歯周病で骨が溶けている部分を確認することができます
パノラマX線写真
パノラマX線写真では、上下すべての歯、顎の骨、顎関節、上顎洞など、口の中だけでなくその周囲まで全体的に調べることができます。
デンタルX線写真
デンタルX線写真は、歯や歯槽骨の状態が詳しく分かる撮影法ですが、1枚の写真には3~4本の歯しか写らないため、すべての歯を調べるために10枚ないし14枚のX線写真撮影が必要になります。
口腔内写真
歯肉の状態やプラーク・歯石の付着状況を観察することで、口腔内環境や歯周病の進行状態を確認することができます。
歯周病の口腔内では、歯肉が赤く腫れたり、歯肉からの出血や膿が出たり、プラーク(白~黄色)や歯石(黄色~茶色)が付いています。
歯周病治療の各ステップで口腔内写真を撮影することで、現在の状態や治療の効果を判断することができます。
歯周基本検査・歯周精密検査
歯周ポケットの診査は、歯周病の進み具合を測るための検査です。
歯と歯茎の境目に溝があり、その溝の深さが何ミリかを測って記録します。
・歯の周囲の一番深いところのみ1点を測るのが、歯周基本検査
・歯の周囲の6点全てのポケットを測るのが、歯周精密検査
です。
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなります。
健康な歯ぐき | 0.5~2mm |
歯肉炎 | 2~4mm |
軽度歯周炎 | 3~5mm |
中等度歯周炎 | 4~7mm |
重度歯周炎 | 6mm以上 |
歯肉の炎症の有無
プローブを歯周ポケットの中に軽く挿入した時の出血の有無(BOP)で炎症の程度を判断します。
・全体のうちのどれくらいの歯が出血しているか
・歯肉のどこの部位に炎症があるのか
を見て、歯肉の炎症の程度を見ていきます。
歯の動揺度の検査
歯の揺れがどれくらいかを診査し、記録します。
歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶けて歯のぐらつきが大きくなります。
動揺度 0度:正常
動揺度 1度:前後にわずかに動く
動揺度 2度:前後左右に動く
動揺度 3度:前後左右上下に動く
分岐部病変の検査
歯は奥歯になると1つの頭に対して複数本根っこを持っています。そして、その歯の根っこの分かれ目、股にあたる部分を分岐部と呼びます。
歯周病が進行していくと、歯の周りの歯茎に炎症が起こり、徐々に歯の周囲の歯茎が下がり、骨が溶けていってしまいます。
これが、奥歯で起こった場合、歯茎が下がり、骨が溶けていくところは同じですが、炎症の起こる方向が、歯の根元方向に進んでいくだけでなく、先ほど話した「根分岐部」に差し掛かると歯の分かれ目の内部に進んでいってしまいます。
このように根分岐部に歯周病が進行している状態を根分岐部病変といいます。
あなたは大丈夫?かかりつけの歯科医院にあなたの記録はありますか?
歯科医院での記録を歯科医師と患者様すで共有することは、とても大事です。
なぜなら、歯周病は、歯科医師のみの力だけでは治療がうまくいきません。
歯周病は、毎日の患者様のブラッシングや、生活習慣の影響がとても大きいです。
ブラッシングや、生活習慣が良くなれば、良くなっていく歯周組織。
ブラッシングや生活習慣が間違っていると、悪くなる歯周組織。
その変化に気がついて一緒に、二人三脚で良くしていくのが歯周病の治療なのです。
信頼のできるかかりつけの歯科医院で、自分の記録をしてもらって、歯科医院とご自身で共有し、ご自分のお口の健康に役立ててくださいね。