こんにちは。
プリズムタワー工藤歯科、副院長の工藤有加です。
今日は、より精度の高い根管治療を受けたい人のために、記事を書いていきたいと思います。
精度の高い根管治療を求めて、ラバーダムとマイクロスコープのある歯科医院を探している方。
実は、ラバーダムをしているだけ、マイクロスコープがあるだけで、良い根管治療ができるわけではありません。
ラバーダム、マイクロスコープの他にも、精度の高い根管治療に必要な機材、技術について、また、精度の高い根管治療を受けたい方はどこに行けば良いのか?についてを順番に書いていきます。
より良い根管治療を受けるのに必要なこと
より良い、精度の高い根管治療を受けるために、何が必要なのか?
設備、技術、歯科医院の方針や考え方、この3つのどれが欠けても、精度の高い根管治療は受けられないです。
これから順番に説明していきますね!
より良い根管治療を受けるための器具・機材・薬剤
【根管治療の再発防止のために必要なこと】
より良い、精度の高い根管治療には、以下のものが必要です。
組み合わせることにより、根管治療の精度が上がります。
では、順番に説明していきますね!
ラバーダム
ラバーダムの1番のメリットは、治療中、根幹内への唾液や血の侵入を防ぐことができることです。
つまり、口の中のバイキンが治療中入らないようにコントロールして、根管治療の成功率を高めることができるのです。
逆に、ラバーダムがない状態で、根管治療をするとどうなるか?
口の中の血液や唾液が入ってくるのを防ぐのは非常に困難になります。
結果、口の中のバイキンに根管が感染してしまい、結果、一旦治療が終わってももう一度根の治療をしなければならない可能性が高くなります。
良い根管治療には、ラバーダムは必須です。
マイクロスコープ
マイクロスコープのメリットは、根管を拡大した状況下で、よく見える光の中で、精度の高い、適切な根管治療ができることです。
とりわけ複雑で細かな作業が必要な根の治療中に、マイクロスコープで拡大すると、狭い根管の様子を観察しながら治療を行うことが可能になるため、適切な根管治療が可能となり、根管治療の成功率も上がるということです。
ないと、目視下で、盲目的に経験に基づいた手探りの根管治療をすることになりかねません。
CBCT(コーンビームCT)
CBCTを使用すると、根管の形態を3次元的に撮影、把握できるため、より適切な根管治療が可能となります。
根管治療時においては、二次元的な従来のデンタルX線写真や、パントモでは、すべての根管の把握は困難です。
マイクロスコープや通常の2次元のX線写真では判断しづらい複雑な根管形態や感染経路の特定には、歯科用CTによる3次元的な診断が可能となります。
根管長測定器
根管長測定器は、根の治療時に、根の先端でピピピと反応してくれる機械です。
この機械を使用することで、根の先端の位置がわかり、どこまでが歯の根なのかがわかるのです。
この機械がないと、根の先がどこかわからない状態で根の治療をすることになるので、危険です。
根管内の洗浄·消毒薬「EDTA」「次亜塩素酸ナトリウム」
根管洗浄に、EDTA、次亜塩素酸ナトリウムを使用するメリットは、細菌・ウイルス、微生物・削りカスを確実に洗い流し、根管内を綺麗に消毒、洗浄できることです。
この2つの薬剤でなければ、根管内を綺麗に洗浄することは難しいとされています。
次亜塩素酸ナトリウムは、強い薬なので、ラバーダムを必ずして使用します。
NiTiロータリーファイル
根管治療時にNiTiロータリーファイルという専門の道具を利用すると、本来の根管に沿った、理にかなった根管治療が可能となり、治療の精度が向上し、再感染、再治療を極限まで減らすことが可能です。
しかも1本1本使い捨てなので、衛生的です。
保険診療では、一度利用したものを滅菌し他の患者様に利用することが多くあります。
保険では手動で、先生の手技によるので、根の形態が難しい場合は、確実な根管治療が不可能な場合も多いです。
根管充填時のMTAセメントの利用
MTAセメントを使用すると、洗浄でキレイになった根管内を、より緊密に塞ぐことが可能となります。
せっかく綺麗に消毒、洗浄した根管内が、緊密に塞いでいないと、数年経過した時に、再び感染してしまうことがあります。
根管充填時のCWT法
CWT法という方法で、加温されたがッタパーチャポイントというゴムを根菅に充填でき、非常に複雑な根管内を緊密に塞ぐことが可能で、再治療、再感染を防ぎます。
CWT法は自由診療の根管治療で行いますが、保険診療ですと、「ガッタパーチャ」と呼ばれる、ゴムの材料で側方加圧法という方法で隙間を塞ぐのですが、この方法だと隙間を残してしまうことがあるため、再治療を行うケースが多いのです。
精度の高い根管治療に必要不可欠な技術・知識
機材や材料が揃っているだけでは、精度の高い根管治療を提供することはできません。
そこに知識と技術が共わななければ、精度の高い根管治療は困難です。
例えば、マイクロスコープについてですが、ただ、マイクロスコープを置いてあるだけでは意味がありません。
実際、マイクロスコープがあれば患者様がその歯科医院を選ぶ理由になる、という事実もあるようなので、ただ、マイクロスコープを置いてある歯科医院もあるのだとか。
見極めが難しいですね。
では、どうやって患者様は見極めればいいか?
自分の歯の治療しているマイクロ動画を、実際に見せてもらったり、説明してもらえたら、その歯科医院ではマイクロスコープを用いて実際に使用していると判断できるでしょう。
充実した機材だけでなく、技術、知識も備わっていないと、精度の高い質の良い根管治療は困難です。
治療方針や歯科医師の考え【全体の治療方針・根管治療に対する思い】
患者様にどんな治療を行なっていきたいのか?
歯科医院によって、特に差が出やすいのがこの根管治療です。
保険でもある一定のレベルの診療をしたい、と考えている歯科医院でしたら、根管治療は採算が取れない治療。医院的には完全に赤字。ボランティアに近いものがあります。
採算を考えていたら、とてもじゃないけど、冒頭お伝えしたような機材や薬剤を揃えての根管治療は無理だという現実があります。
保険の根管治療のみでは赤字覚悟。だけど、質の良い根管治療をやっていきたい、という院長や歯科医院の方針があるからこそ成り立つのが、保険診療での根管治療です。
それでも、日本の根管治療では、初回の根管治療よりも、再治療の歯の本数の方が多いという現実もあります。
それくらい、根の構造が複雑で、根の構造上、保険診療での根管治療では、非常に難しい、ということを表していますね。
それから、その後に被せる被せ物の質がとても重要で、ピッタリ合ったものでないとその隙間から感染してしまい、再度、根の治療が必要になってくる、という現実もあります。
根管治療のみでなく、その後の被せ物の精度もとても大事なんですね。
治療の一つである根管治療なので、根管治療のみ優れているだけを見るのではなく、根管治療の質は担保しつつ、全体の治療計画が理にかなっているものかどうかも、とても大切な要素となります。
当院での根管治療の取り組み
当院では、保険診療の根管治療においても、コンポジットレジンによる隔壁を作成し、すべての根管治療歯にはラバーダム防湿を行い、3根管以上の根管治療歯については、保険のルールに則って、マイクロスコープの使用、CBCT撮影を行っています。
理由としては、保険診療でも、できる限り質の高い歯科治療を提供したい、という思いがあるからです。
でも、前にもお伝えした通り、保険診療には限界があります。
より精度の高い、質の良い根管治療を受けたい患者様は、自由診療での根管治療も視野に入れた方が良いです。
根管治療で、最も大切なのは、歯科医師が、どのような器具を使うかよりも、適切な診査、診断、治療計画のもとに治療をするかが大切なのです。
当院で処置した一症例をご紹介します。
黒い影が出ている部分が問題の個所で(根尖病巣)、治療後はこの影がなくなっているのが見て取れると思います。
そのほかにも、他院で抜歯と言われてしまった歯でも抜歯せずに長期に保存できた症例も多数あります。
まとめ
精度の高い根管治療をお探しの方は、まず、マイクロスコープが置いてあるかチェックしてみてください。
その上で、ラバーダムが、根管治療時にはその医院で基本操作として、ほぼ全ての患者様に、保険でも自費でも行なっているかどうか?
探す方法としては、ホームページでチェックするか、直接、電話で問い合わせるのも良いと思います。
また、治療技術については、患者様の判断しずらいところだとは思いますが、
歯周病専門医や、歯内療法専門医から探すのも、一定以上の難しい試験をパスした歯科医師なので、ある一定のレベルは保たれていると言って良いと言えます。
しかし、専門医を持っていて、保険診療のみを行なっているというのは聞いたことはありません。
そもそも、保険診療内のみの、安くて良い治療を求めるのは、難しいのが現実です。
当院のような、歯周病専門医指導医がいて、保険でもラバーダムをして、3根管以上はマイクロスコープも使用して、時間をかけて、保険でも自費でもある一定の質の高い治療をしてくれる歯科医院は、他にはない、とは言えませんが、結構探し当てるのは難しいと思います。
保険診療内でも、自費根管治療の根管治療のレベルも使う機材も医院によってそれぞれです。
精度の高い根管治療をお探しの方で、お困りの方は当院にお問い合わせください!